マブリットキバ公式サイト:トップページAKB48さんに「ありがとう」の手紙を届けました
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【マブリットキバとして】

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うむ、全国のマブダチのみんな、夕陽を見ているかい

ふるさと無き復興の鬼、守人牙ことマブリットキバだ

今回は山田町の子ども達の想いと手紙をAKB48さんに届ける使命を果たしたぞ

ズバリ言わせてもらおう、今回の件についてオレは最初は乗り気じゃなかった

オレはAKB48さん達のファンで、子ども達も好きだ

AKB48さんからは元気と勇気をもらっているし

子ども達はオレを生かしてくれている

そのどちらにもウソはつけないし、夢を傷つけることは許されない

ファンであるなら、厳格にルールに従って行動するのがお約束だ
たとえ善意とはいえ、それが迷惑になることもこの世にはいっぱいある

子ども達が手紙と感謝をとどけたいと聞いたときは正直断ろうと思った

どちらかの夢を壊したり、約束を守れなかったり、ルールを守れなかったら
迷惑をかけるってことになる。それは決してあってはならないことだ

オレはAKB48さんのファンだ。ヲタと言っても過言ではない
MIXも完璧だ、むしろヲタと誇らせて欲しい。いや、あんまり関係ないか
つまり、ヲタだからこそルールを守って楽しみ応援すべきなんだと言う事だな

子ども達に対してもそれは同じだ。夢を壊す事はあってはいけない

鬼のオレから見れば人の世は悲しい世界に見えるときがある
早く早くと急かす声にあふれ、優しさを見せる者は痩せていく
満ちたりる事も、たりなすぎることにも人は結局満足できない
正直に生きる事をしてもどこかで他人を傷つけていってしまう

人に優しくしようとしても、この世の中は危険が多すぎる

オレは震災で多くの大切な人を失った、そこから人に接する事が苦手になった
どんなに今、被災地で働いていても救えなかった命は救えなかった

命を救えなかった己が憎いし、力になれなかった己を許す事はできない
だから疲れて寝るまで、被災地で働き続ける事がオレにできる全てだった
そうして忘れる事で、向き合わなければいけないモノからオレは全力で逃げてきた

だから、子ども達に真剣に頼まれ、約束をする事が恐ろしかった
ましてや、愛するAKB48さん達に向かい合うなんてオレには無理な話だ
全てから逃げ続けているオレの心の弱さを見透かされているように思えて怖かった

「愛する者に向かい合わなければならない」

オレの気持ちの拠り所であるAKB48さんに、こんなカタチで向き合うとは思わなかった
ただ楽しく応援するわけじゃない、子ども達の気持ちを届けなくてはいけない

そこからは迷ったし、悩んだ

ファンレターとして発送するにしても宛名の書いてない子もいるし、
数が多いので、バラになるとわからなくなってしまう
つまり、感謝状も手紙も一つで届けなきゃいけないので
ファンレターにしても一度問い合わせをしなきゃいけない

もしAKB48の運営さんに

「ちゃんとしたファンレターじゃなきゃ受け取れません」

なんて言われたら、オレは子ども達にどう言えばいいんだろう?
それを考えるといたたまれない気持ちになった

でも、夜に預かった手紙と感謝状をまとめていてわかった

子ども達は真剣に大好きなAKB48さんに向き合って、
頑張って歌い続けるAKB48さんに少しでも力になりたいと思っているんだと

被災地の子ども達が誰かの力になりたい、励ましたいなんてかっこいいじゃないか

AKB48さんも誰かのためにって被災地の応援や訪問を続けている
なのにオレだけが自分のために逃げ回って、他人を拒み続けていたんだ

手紙を託してくれた子どもの一人が言っていた

「ゆうこさんたちならきっと大丈夫だよ」

そうだ。AKB48さんだって、子ども達だって自分にできる事をしているんだ

オレはいつまで逃げ続けるんだ、逃げて世界が変わるわけじゃない
オレが人を信じてこそ、世界は変わるんだって言われている気がしたんだ

だから、本気で大好きな子ども達と約束して、愛するAKB48さんに向かい合いたいと思った

たとえ手紙を断られても、正直に子ども達にあってゴメンと頭を下げ謝ればいいんだ
手紙も一度ちゃんと運営さんに聞いてみて、段取りを聞けばいいんだ

オレは自分が助かり報われたいたいわけじゃない。誰かのためにできる事をしたいんだって気づいた

そして子ども達の届けにいった。でもAKB48さんや運営さんは話をまっすぐに聞いてくれた

「良く来てくれましたね、嬉しいですよ」って言って、メンバーさんも出迎えてくれたんだ

子ども達の手紙も、感謝状も全て手渡しで受け取ってもらったんだ

大島優子さん、篠田麻里子さん、柏木由紀さん、
指原莉乃さん、松井玲奈さん、山本彩さん、

メンバーのみんなは山田町のみんなと子ども達の気持ちにまっすぐ応えてくれたんだ

それだけじゃない、そんな子ども達の気持ちにみんなが泣いてくれた
泣きながら微笑んでくれたんだ。悲しい涙じゃなく、嬉しい涙として

誰かのためにと、支えになって活動してくれている人たちが泣いたんだ

やさしい涙だった。痛みと悲しみを知っている、全てを許す涙だった
子ども達とこんなに距離は離れているのに、心は通じ合ったんだ

そうだとも、空は繋がっているんだ。その下で同じ時間を生きているんだ

ゆうこさんの涙を見て、その言葉を聞いて、オレにはわかった

華やかだから全てに恵まれている訳じゃない。有名だから全て満たされている訳じゃない
中心にいるから全てが見えるわけじゃない。振り返ることも、見渡す事もできない悲しさもあるのだと
出逢ってきた人々、約束してきた事、その全てを抱え、こたえるために走り続けているのだと

この世のみんなが自分の夢と未来と闘っている、そして自分が何処にいるのか知りたいんだ
自分は何処まで生きて、何処に行くのか、そして今生きて立っている場所は正しいのか

全ての人は自分の夢と。命は未来と闘っているんだ。

オレは自分の悲しみと苦しみばかり優先して、向き合ってきた人が何を夢見ていたのか
愛する人たちが何のために、「誰かのために」と笑顔で歌い、影で涙を流しているのかを知らなかった
去っていった人たちが何を愛していたのかを知らなかった。だから、一人で逃げる事しかできなかった

それを教えてくれたのは山田町の子ども達とみんな
そしてAKB48さん、SKE48さん、NMB48さん、AKSの運営の人々
被災地を見守って応援してくれる全国のマブダチのみんなだ

「ありがとう」オレはただ気持ちを、その言葉を愛する人に心から伝えたかったんだ

詐欺、裏切り、売名、利権、それらをもたらした震災に対する憎しみと憎悪から
ゆうこさんの涙と笑顔が、メンバーのみんなの涙と優しさが、子ども達の笑顔が
オレに魂を賭けて立ち向かい、闘うべき道を教えてくれた。

愛する者に向かい合う勇気を、再び約束する機会をくれてありがとう

オレはもう迷う事は無い。ヒーローってのには戻れないが、闘い続ける鬼として
「誰かのために」一人でも笑顔になってくれるように、新たに走っていくぞ

泣いてくれてありがとう。約束してくれてありがとう。

オレはみんなと同じ空の下で同じ時間を生き、同じ世界のここにいたことを心から感謝している

復興の鬼 守人牙こと マブリットキバ

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