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トピック 山田町への支援報告状況

3月11日〜5月11日

「震災から二ヶ月経って」

東北地方を襲った東日本大震災の発生から早いもので二ヶ月が経ち、
被災地である山田町での状況も刻一刻と変化の訪れが来ております。

私達が震災以降、岩手県山田町に支援で入ったのが3月20日になります、
当時の現地は津波と火災の被害が大きく、混乱の様相を極めておりました。

山田南小学校避難所は医療施設が入っていた為に、避難者は千人を越え、
まるで映画であるような野戦病院さながらの様相を呈しておりました。

震災発生時から3月中は、被災者の皆さんも、各避難所担当の方々も
相当にご苦労なさっており、とても「子供達の為に支援を」という事が
「子供達だけでよいのか」と、正直はばかられる状況であったのを思い出します。

私達は2007年から岩手県でご当地キャラクターなどを作って運営し、
各地を回って、毎年のように山田町には招待され、ショーを行っておりました。
子供達や町の方々、山田町の商工会や観光協会様、役場の方々には
いつも良くして頂きとてもお世話になったのです。

何とか今までの恩返しがしたい、今こそ力にならずにどうするのかと
スタッフで色々と支援のあり方や動き方など想定し話し合いました、
山田町の支援を復興する見通しが付くまで長期に渡って行っていくということは
当方のキャラクター運営は相当に難しくなるだろうという見通しもありました。
しかし、「命」というものはそういう事情と測りにはかけられないものです。
結果、全員一致で山田町の支援を優先し行っていくという結論になったのです。

私達はNPOですが、地域のイベント活性と振興を目的に設立したNPOであり、
被災地に入っているような人道救済を目的とした、NPOやNGOではありません。
それが全ての運営を災害支援に切り替えるということは、相当大変だったものです。
思いつくことは全て想定することしかできず、現実はその想定を遥かに超えて
次々と問題や課題となって立ちふさがりました。

被災地でニーズを聞いて、それを用意して届けるという事がこれほど大変だとは
思っても見ませんでした。しかし、それを支えて下さったのは全国から
支援物資を届けてくださる支援者の皆様と被災地で頑張っている方々でした。

気が付けば震災発生時から当方が支援に現地に入っている日数の合計は
30日を越えました。現地での作業や打ち合わせなどの日にちを入れれば、
単純な計算だけでも40日は越えています、実に2日に一回は山田町を訪れている
ということになります。支援者の皆様からお預かりした物資も相当に届けました。

幸いなことに、当方が支援者の皆様からお預かりした支援物資は全て
被災地でニーズ調査を行ったものであったので、一つも無駄にせずに
キチンと現地の避難所や学校施設に届けることができております。

ここまで支援活動が行えてきた事は、間違いなく支援者である皆様のお力添えや
被災地で私達を信用して下さり、役割を与えて下さった方々がいるからです。

混乱の様相を呈していた被災地は、少しずつですが前に進んでおります。
一時は避難者が千人を越えた南小学校の避難者は100人前後となり
自宅に戻る人々も多くなっています。報道は少なくなり、事態は収束の
様相を呈しているかのように見えます。が、しかし被災地ではそうではありません。

移動するための鉄道や車両の損失があるために中々個人では街を出れず、
また津波と火災の被害で仕事を失った人々が多いので収入もゼロのまま、
地元で買い物をするにも肝心の商店は壊滅しており、欲しい物も購入できない。
定期的に宮古へのバス便なども出ておりますが、個人の思うような動きはとれません。

山田町としてもこの状況では税収もなく、見通しも重いものだと思います。
学校施設は町立システムの為に一気に大きい支援で解決することが難しいのです。

大切なことは震災から二ヶ月たった今だからこそ、現状と状況をキチンと把握し、
今後の支援のあり方と支援をいかにするかと言う方向性を決めることだと思います。

被災者の皆さんや被災地での書く関係者の皆様、それを支援して下さる方にとっても、
おそらく長い復興への道のりになることは間違いありません。

私達が学んだ事は「助ける」や「助けられる」という関係ではないと言うことです。
助けたり、助けられたりは少なからず「恩義」や「借り」という意識が芽生えます。
この意識のまま支援を続けたり、支援されたりでは少なからず重圧が発生します。
これでは重なっていく人間関係も上下などが発生し、少し問題が起きると
支援しずらくなったり、しばらく会わなくなったりすると互いに顔をあわせ辛くなります。

大切なことは「向き合う」という行為ではないかと私達は考えております。
人として、当たり前に向き合い、被災者も支援する側も必ず「礼儀と自己責任」での
範囲を忘れずに、人として向き合い、お互いに支えあっていく事が大切です。

これからも私達は向き合うということを忘れずに、長い支援の道のりを歩んでいきます。

NPOいわて・郷プロジェクト 代表 畠山


5月13日

「各避難所の子供達やお年寄りの望むものについて」

私達が支援にいっている各学校施設は同時に避難所となっている事が多いです。

この避難所というところは地域によって全く違うものとなっています。

たとえば山田南小学校避難所や田の浜地区などでは子供達も多く、
野球にサッカー、ハイパーヨーヨーやデュエルマスターズ、
バトルスピリットなどのカードゲームが流行の主流となっております。
おかげさまで私達も色々と購入し、ハイパーヨーヨーや各カードゲームに
子供達に付き合わされて見事にはまってしまったという経緯があります。

ボランティアスタッフで「ハイパーヨーヨースタッフ」や「カードゲームスタッフ」を
本気で募集しようと思う次第でもあります。

野球やサッカーの道具やユニフォームも子供達が持っていたものは
ほとんどが震災の被害と津波によって流されてしまいました。
現在は何とかありあわせのもので、子供達は行っておりますが、
個人として使う野球やサッカーの道具なども支援をしなければなりません。

また、子供達は勉強の意欲が非常に高いことにも驚かされます。
「避難所では落ち着いて自習や勉強ができない」という点も
避難所にいる親御さん達に教えられ、はじめて気が付いた問題でした。

そこから「折り畳みができるテーブル」や「電気スタンド」などを購入し、
子供が避難所で自習できるようにと、北小学校避難所や
豊間根中学校避難所、織笠小学校避難所に届け設置した経緯もあります。

この問題は各学校施設の先生方も気づいており、
早い段階で自習スペースを避難所に配置したというところもあります。

「折り畳みができるテーブル」や「電気スタンド」は中古であっても
完品であれば有難くお受けしたい支援物資でもあるので、
もしお心当たりがある方が居られましたらお気軽に
お問い合わせメールから当方にご連絡を下されば幸いです。

たとえ震災の中でも勉学や遊びを忘れないという子供達の姿勢は
私達にも多くの貴重な事を学ばせてくれています。

豊間根中学校避難所や北中学校避難所、織笠小学校避難所は
お年寄りの被災者の方が多く居られる避難所でもあります。

避難所では支援物資が入ってこないと娯楽に困る部分もあります。
豊間根避難所ではお年寄りが使い切ったタオルを利用して、
「手作りのタオル人形」を見せて下さいました。

「裁縫道具や人形の裁縫パーツなどがあれば、目も口も入れられるんだけどねぇ」

と、笑顔で語ってくれるお年寄りの方々がおりました。
サイズが合わない支援物資の洋服も、裁縫セットがあれば自分達で
調整して無駄なく着る事もできると聞き、裁縫セットや電動ミシンなどを
集めようという事になる経緯が被災地では少なからずあります。

囲碁セットや将棋、簡単なボードゲーム、ジグソーパズルなども
避難生活を行う中で根強い人気を誇る大事な娯楽要素です。
日中は生活の建て直しや、震災被害の手続きなどで被災者の方は
出かけることが多いのですが、その時間以外は避難所で皆さんと
こういった娯楽を行うことが唯一の楽しみでもあるのです。

また、避難所のお年寄り達はここ二ヶ月動かないでいるために
立ち上がったり、トイレに歩いていくのも辛いという状況になっている事が多いです。
確かに二ヶ月間もただ、支え無しで座り続けるのも大変なものです。
そこで「座椅子」の必要性に気づかされたりすることも多いのです。

現在、電動ミシンも裁縫セットも座椅子も多数に支援を募っております、
こちらは完品であれば中古でも大歓迎な支援物資ですので、
皆様のあたたかいご支援をお待ちしております。

山田町の支援物資として避難所の要望があるものとして特徴的なことは
「大き目のサイズやモノ」ということがあげられます。

これは漁業を行っていた方々などが多く居られるので、体格が立派なのです。
男性も女性も衣類だとLサイズからLLサイズ以上が基本となっているというわけです。

またお年の女性の方々でも下着は「お腹までキチンとあげられるタイプ」の
希望が多いので、LLサイズ以上が好まれるといった事になります。
地域や避難所によって、ニーズはそれぞれに変わるのだと言えます。

こういった要素は現地に行ってただ見たり聞いたりするだけではわからない事です。
皆さんがもし、現地にいって手伝いたい、届けたいという事がある場合は
必ず前もって「どのような地域性なのか?」「どのようなモノが求められているか?」
を事前調査することが非常に大切な事と言えます。

そういう場合は必ずに被災地のボランティアセンターや公的機関などに
前もって問い合わせて、情報を聞き、整理して準備しておくことが
とても大切なのです。実際に前もって被災地を自ら訪問して
現地の生の情報を色々と体験しておくとより効果的な支援ができるのです。

NPOいわて・郷プロジェクト 代表 畠山

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